フケはか痒みがひどくなければあまり気にしない人も多いですが、肩や髪にフケが出ているのは不潔な印象をあたえるなどの見栄えの問題だけでなく、放置しておくと脂漏性皮膚炎などの病気に発展することもあるため早めのケアが大切です。
「フケとは」より、フケには湿性フケと乾性フケがあり、それぞれ
皮脂の分泌が多い
↓
マラセチア菌が増える
↓
遊離脂肪酸が増える
↓
増えたマラセチア菌と遊離脂肪酸はそれぞれ皮膚に炎症を起こさせる
↓
炎症が起きるとターンオーバーが早くなり未熟な角質が大量に作られる
↓
未熟な角質では水分が不足するので角質が剥がれづらくなり堆積する
↓
同時に未熟な角質は隣の角質との接着が脆弱なのでもろく剥がれやすい
↓
大きな塊になった角質がもろく剥がれてくる(フケ)
いくつかある要素(「フケとは」参照)により頭皮がドライスキン(乾燥肌)になる
↓
ドライスキンでは皮膚のバリア機能が低下しているので敏感で刺激に弱い状態
↓
この状態の時に更に刺激が加わると容易にバリア機能が破綻して炎症を起こす
↓
乾燥状態で炎症が起きると痒みを感じ、掻くと角層を傷つけ更に炎症が悪化する
↓
炎症が起きるとターンオーバーが早くなり未熟な角質が大量に作られる
↓
未熟な角質では更に水分が不足するので角質が剥がれづらくなり堆積する
↓
同時に未熟な角質は隣の角質との接着が脆弱なので、もろく剥がれやすい
↓
大きな塊になった角質がもろく剥がれてくる(フケ)
このような感じでフケが進行していきます。
では、この流れの中で問題になりそうな点をあげてみます。
- 皮脂が多い
- マラセチア菌が多い
- 遊離脂肪酸が多い
- 炎症が起きている
- フケが長期間続いている場合、表面がオイリー(脂性肌)でも角層は乾燥している
- ドライスキンを起こすような原因がある
- ドライスキンである
- 痒みを掻いてしまう
- 炎症が起きている
1つ1つの問題が対処可能か見てみます
この1つ1つの問題が対処可能か見てみます。
赤文字ーー対処が難しかったり根気を必要とする
青文字ーー対処可能、必要
湿性フケ
1.皮脂が多い
食生活や運動、睡眠など生活習慣の改善や、シャンプーの回数を増やすことで減らすなどの対処法が考えられます。
生活習慣の改善はある程度の時間や根気を必要とするなどハードルが高いことも、ただし改善が出来れば根本的な解決になる可能性はあります。
シャンプーは1日に複数回か行えば皮脂を減らすことは出来ますが、減った皮脂を補おうとして分泌がさらに過剰になることが多いことと乾燥が進むのでおすすめはしません。ただ、古くなった皮脂が過酸化脂質に酸化してしまうと刺激が強くなるため、そうならないように1日に1回皮膚を必要以上に傷つけない程度にアミノ酸系のシャンプーなどで優しく洗ってあげることは必要です。
2.マラセチア菌が多い
シャンプーや洗い流さない洗浄剤などで減らすことは可能
3.遊離脂肪酸が多い
皮脂自体は多めでもマラセチア菌自体を減らしておければ脂肪酸が過剰に作られることは減らせるので(マラセチア菌を減らすことで)対処可能
4.炎症が起きている
セルフで行うスキンケアで常時使用できるのは化粧品・医薬部外品で、炎症に対しての効果はとても緩やかなものですが、炎症がごく初期のものであれば、保湿目的の保湿剤などでも消炎効果のあるものを使用するほうが好影響が期待できます。それ以上の炎症の場合は病院で診てもらう方が無難です。
5.フケが長期間続いている場合、表面がオイリー(脂性肌)でも角層は乾燥している
頭皮がオイリーだと乾燥は自覚しづらく保湿には消極的になりますが、多くの場合補水は必要で、これは対処可能です
乾性フケ
6.ドライスキンを起こすような原因がある
原因には、シャンプーのしすぎなどの自分で改善できるものもありますが、季節的な乾燥・紫外線・ストレス・加齢などいろいろな要因があり、いくつかが複合していることが多いので、要因自体を取り除くことは容易ではありません。
7.ドライスキンである
保湿剤が充実しているので対処可能。
8.痒みを掻いてしまう
かゆみの対処は難しく、アトピーなどの痒みは薬でも完全に抑えることは難しいようなので、セルフケアで使用できる化粧品・医薬部外品ではせいぜい気休め程度でしょう。
ただ使いようで、気休めではあってもどうしてもかゆいときの一時しのぎには使える可能性もあります。
9.炎症が起きている
セルフで行うスキンケアで常時使用できるのは化粧品・医薬部外品で炎症に対しての効果はとても緩やかなものですが、炎症がごく初期のものであれば、保湿目的の保湿剤などでも消炎効果のあるものを使用するほうが好影響が期待できます。それ以上の炎症の場合は病院で診てもらう方が無難です。
以上のことから対処法をまとめると、
湿性フケのケア
- アミノ酸系シャンプーなどの刺激の少ないシャンプーで毎日優しく皮脂と汚れを落とす
- 洗い流さない洗浄剤などでマラセチア菌を増やさない
- 補水を十分に行うために保湿剤を使用する。保湿剤(化粧水やヘアローション)は消炎
- 効果があり、油分を含まないものを選ぶ
乾性フケのケア
- 補水を十分に行うために保湿剤を使用するが、消炎効果があるものを選ぶ
- 水分のあとに油分を補う
- 痒みを清涼感などでしのげるようなアロマなどを使用してみる
これを踏まえていくつかケースバイケースで対処法を考えてみましょう。
1.サラリーマンやOLなど日中お勤めしている場合
- 入浴時
-
シャンプー
刺激の少ないアミノ酸系などのシャンプーで汚れと余分な皮脂を落とします。
洗い落とされた皮脂がもとに戻るのに?時間がかるのでシャンプーは基本1日1回で十分です - 入浴後
-
補水ローションなどを塗布
消炎作用を助ける働きのあるグリチルリチン酸2Kなどを含むものなど - 朝
-
補水ローションなどを塗布
同上 - 昼
-
洗い流さない洗浄剤を塗布
洗い流さない洗浄剤を小さいスプレヤーで携行し、ヘアスタイルが崩れない程度に頭皮に塗布。除菌の効果もあるもので、必要以上に頭皮を痛めたり脱脂し過ぎたりせずにマラセチア菌を減らせる - 15時
-
洗い流さない洗浄剤を頭皮に塗布
同上 - 18時
-
洗い流さない洗浄剤を頭皮に塗布
同上
※洗い流さない洗浄剤をスプレヤーで携行し手軽に使用することで、仕事の日中もケアがつづけられます。
- 入浴時
-
シャンプー
刺激の少ないシャンプーでできるだけ優しく洗います。 - 入浴後
-
補水ローションを塗布
入浴後の頭皮がまだ潤っている20分以内に消炎作用のあるグリチルリチン酸2Kなどを含むローションを塗布。3分くらいおいて浸透したらもう一度塗布する。油分になるものを塗布
補水ローションだけでは潤いが保てないので、油分をその上から塗布する。そのままではベトベトしてしまうので、水と1:2や1:3で割ってちょうどよい濃度にしたものをスプレーすると使いやすい。 - 朝
-
補水ローション、油分を塗布
入浴後と同じ - 昼
-
補水ローションを塗布
補水ローションを小さいスプレヤーで携行し塗布する - 15時
-
補水ローションを塗布
同上 - 18時
-
補水ローションを塗布
同上 - かゆい時
-
痒みを清涼感などでしのげるようなアロマなどを使用してみる
※乾燥させないことが大事なので、日中は上記の時間にこだわらずこまめに保水することが大切です。
2.日中、家にいて時間が取れる方の場合
- 入浴時
-
シャンプー
刺激の少ないアミノ酸系などのシャンプーで汚れと余分な皮脂を落とします。
洗い落とされた皮脂がもとに戻るのに?時間がかるのでシャンプーは基本1日1回で十分です - 入浴後
-
補水ローションなどを塗布
消炎作用を助ける働きのあるグリチルリチン酸2Kなどを含むものなど - 朝
-
補水ローションなどを塗布
同上 - 昼
-
洗い流さない洗浄剤を塗布
洗い流さない洗浄剤をスプレーでたっぷりめに頭皮に塗布。(除菌の効果もあるもので、必要以上に頭皮を痛めたり脱脂し過ぎたりせずにマラセチア菌を減らせる)
スプレー後、手で頭皮全体にのばし、1分くらいおいてからタオルなどで軽く拭き取ります。 - 16時
-
洗い流さない洗浄剤を頭皮に塗布
同上
※洗い流さない洗浄剤は保湿や消炎などの作用を助ける成分が配合されたものを使用するとより効果的です。。
※上記の記事は当サイトでモデルにより実際に行ったものをベースに書かれていますが、あくまでも参考であり全ての人への効果を保証するものではありません。
- 入浴時
-
シャンプー
刺激の少ないシャンプーでできるだけ優しく洗います。 - 入浴後
-
補水ローションを塗布
入浴後の頭皮がまだ潤っている20分以内に消炎作用のあるグリチルリチン酸2Kなどを含むローションを塗布。3分くらいおいて浸透したらもう一度塗布する。油分になるものを塗布
補水ローションだけでは潤いが保てないので、油分をその上から塗布する。そのままではベトベトしてしまうので、水と1:2や1:3で割ってちょうどよい濃度にしたものをスプレーすると使いやすい。 - 朝
-
補水ローション、油分を塗布
朝は、補水ローションのみ頭皮全体に塗布 - 昼
-
補水ローションを塗布
入浴後のようにローションを塗布し、3分くらいおいて染み込んだらもう一度塗布。入浴後は頭皮に水分が行き渡っている状態から塗布しますが、昼間に塗布する場合は乾燥しているところに直接塗布するので2回くらいの塗布ではすぐに吸収してしまいます。何度か繰り返して3分くらいおいたあとでも頭皮がしっとりしているくらいが効果的です。
油分も入浴後と同じように塗布しておきます。 - 16時
-
補水ローションを塗布
同上
※乾燥させないことが大事なので、日中は上記の時間にこだわらずこまめに保水することが大切です。
参考にしてみてください。
※上記の記事は当サイトでモデルにより実際に行ったものをベースに書かれていますが、あくまでも参考であり全ての人への効果を保証するものではありません。ご自身の責任の範囲でお試しください。